MENU
about
緩やかな所属による組織活動におけるキャリアアップ支援
(1)研究の目的

本研究は、正規雇用労働者(regular worker)ではない、非正規雇用の派遣労働者(temporary worker)による対人援助活動、NPOやボランティアによるまちづくり活動、さらには大学生のプロジェクト活動など「緩やかな所属による組織活動」を対象に、そこに所属する当事者が、単に「働く」や「タスクをこなす」だけではなく、「活動目標に向かって他者と協同しつつ、自身が選ぶ行動の選択肢拡大に積極的に関与する学習者であり続ける」という『キャリア・アップ』を推進するための支援環境を実践的、実証的に明らかにするものである。本支援システムは、「対人援助学」(望月,2007)の理論的枠組みを発展しつつ、ミクロな個別の支援方法からマクロな組織的、行政的支援体制までを射程に入れ社会実装をはかる。


(2)研究の背景

企業や地域を支える活動に従事する者は、民間セクターや公共団体に所属する正規雇用労働者だけに限らない。少子高齢化、公的財政の悪化、働き方の多様化などを背景に、企業では非正規雇用の派遣労働者、地域では、ボランティアや大学生がその重要性を高めている。これらの活動の特徴は、活動に際して企業やボランティア組織などに所属し、その構成員として組織的な目標は与えられるものの正規雇用労働者とは異なり、限られた役割や時間の中で活動をすることが多い。また、日常的に他のメンバーと行動を共にすることが少ない「緩やかな所属による組織活動」である。社会的な重要性を増しているこのような組織活動ではあるが、「キャリア形成」や「学習」に関する研究は、正規雇用労働者を対象にしたものに比べはるかに少なくさらなる研究が求められている。